歴史ある奈良もちいどのセンター街の「もちいどの夢CUBE」のリニューアルプロジェクトとして計画された。 私が考える建物は平屋建て木造、エレベーションは未来へ繋がり躍動するようなデザインを考えました。 与条件は5~10室のテナントスペース、防災倉庫、身障者用トイレ、立地条件は東側にセンター街、西側には駐車場が有り行き来できるスペースとなっており、南北側は建物が近接しています。 平屋で計画する事によりセンター街に光を取り込む事が出来るのと同時に、二面採光となってしまう奥行が長い計画地にも三面採光(上空)とする事で開けた明るい空間ができあがります。 建物を目いっぱい建ててしまうと通路のみでスペース的に難しいところ、私の計画では東西に抜ける広いアプローチをクランクさせる事で留まる事が出来るスペースを確保したアプローチを考えました。 センター街から磁器質タイルの石畳風のアプローチは歴史ある街を醸し出し、明るいアプローチ空間へ引き寄せられるように奥側へのテナントにも誘導する計画です。 身障者用トイレ・防災倉庫は建物(敷地)中央で設定しました。 通路(アプローチ)を広くとる事で備蓄倉庫から物資や防災用具の受け渡しがしやすくなるように考えました。 身障者が通るスペースが混在する為、ある程度のスペースが必要となります。 建物中央部に身障者用トイレへのアクセス、防災倉庫へのアクセス時にしっかりと屋根を掛け、不自由無く使用して頂けるように設定しました。 アプローチ部分は完全ではありませんが大きい庇でカバーし完全に屋根を掛けてしまうと光の入る量・面積が少なくなってしうところ、勾配軒天とシャープな屋根で少しでも多く光を取り込む・抜けるように工夫しました。 日が落ちた後は軒と壁の入隅に間接照明を設え、昼間とは違う雰囲気で奥に伸びる光が敷地内へ人々を誘導します。 屋根・外壁は火に強いモルタルと鋼板としたデザインとしました。 アプローチの一角に緑地帯を設える事で、濃淡グレー色が樹木の鮮やかさを引き立てる事でしょう。 各テナントの正面はFIXのショーウィンドウとする事でテナント内部を見渡せるようにし、購買意欲を掻き立てる心理的なアプローチが期待できます。
CONSTRUCT 2025.1
所在地 :奈良県奈良市餅飯殿町
敷地面積:312.55㎡
用途地域:商業地域
主要用途:物品販売店舗・飲食店舗
延床面積:183.41㎡
構造 :木造1階建て
設計・デザイン:株式会社 宮木博和建築設計事務所